溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
「君、どうしたの?迷子?」
驚いてリユくんは私に近づき、目線を合わせてくれます。
「リユくん…っ!私、小宵ですっ」
「え……」
「こんなに子どもですけど、小宵なんです〜〜…」
お願いです、信じてください――…。
ボロボロと涙を溢しながら、必死に訴えました。
そんな私の頭を優しく撫でてくれるリユくん。
「わかるよ、小宵」
「リユくん……!」
「めっちゃびっくりしたけど、匂いが小宵だし」
私の頬に鼻を擦り付けるリユくんに、ドキッとしてしまいました。
「何より小宵がこんな嘘つくはずないもんね」
「り、リユくん〜〜〜〜」
「よしよし、泣かないで」
子どもみたいに――実際子どもですが――わあわあ泣く私を優しく抱きしめてくれました。
リユくんにぎゅっとされるのも安心するけど、ドキドキもするんです。
「なんでこうなったかわからないけど、小さい小宵かわいいな…」
「ふええ……」
「小宵」
ちゅっとおでこにキスされて、びっくりして涙が止まりました。
それからボボボッ!と顔が熱くなるのを感じます。
「リユくん……っ!」
「うわ、やばい。かわいすぎるんだけど」
そう言ってまたぎゅーっと抱きしめられてしまいます。