溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


「リユくん、それよりも血を……!」

「え?もしかしてそのために来てくれたの?」

「だって、毎日血を飲まないと倒れてしまうのでしょう?私は大丈夫ですからっ」

「そっか、それでわざわざ……ありがとう。
でもね、子どもの血は吸えないんだ」


え……?


「献血と同じでさ。16歳以上じゃないと血は吸えないんだよ。
特に子どもは未発達だし、血を抜くなんて危険だから」

「そ、そうなのですか!?」

「だから、元の体に戻るまではお預けかも」


そ、そんな……っ!!

リユくんは専属契約を交わしているから、私以外の血は飲めないのに!!

このままではリユくんが倒れてしまいます!!


「まあ、少しくらい飲まなくても平気だよ。たまに丸一日飲めない時もあるし」

「でも……っ!」

「大丈夫だって。それより教えてよ。
なんでこんなことになっちゃったの?」

「それは……」


朝起きたら突然子どもの姿に変わっていたこと。
マオちゃん曰く魔法をかけられたのではないかということを話しました。


「魔法ってことは魔族?誰か心当たりある?」

「いえ……」


極月さんのことは不確かですし、勝手に決め付けるようなことは良くないと思うのです。
だから言わないでおきました。


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