溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
「誰かが故意的に魔法をかけたのか……学園内での使用は禁じられているのに」
「そういえば、今日夢を見たんです。誰か女の人の声がして、多分私の枕元に立っていました」
「それ、夢じゃなかったんじゃない?」
「そうかもしれません……」
あの時は半分寝ていたので、夢だろうと思っていたのですが。
もしそうだとしたら、誰が何のために?
「とにかく、魔法を解く方法を探そう」
リユくんは私を抱っこして立ち上がりました。
子どもの姿とはいえ、リユくんに抱っこされてドキドキが加速して止まりません……!
「大丈夫だよ、小宵。俺が守るから」
「リユくん……」
ダメです、リユくん。
そんなこと言われたら、王子様みたいでカッコよすぎます――。
「何とかして魔法を解こう」
「はいっ!リユくんの体のためにも!」
「それはいいの。まずは自分の体を心配しなよ」
そう言って軽くデコピンされてしまいました。
「小宵の体の方が大事だよ」
「リユくん、優しいです……。ありがとうございます……っ」
「……この体だと思いっきりイチャイチャもできないしね」
「え?なんですか?」
「なんでもないよ」
そう言って微笑むリユくんにキュンとしながら、でも気合いを入れ直していました。
落ち込んでいる場合じゃありませんね。
何とか魔法を解く方法を見つけないと!
リユくんがいてくれるなら、きっと大丈夫です!