溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
だ、ダンピール…??
聞き慣れない言葉に私もマオちゃんもきょとんとしてしまいます。
「人間とヴァンパイアのハーフってこと。僕はクォーターなんだけどね。
祖母がヴァンプなんだ」
「く、クォーター!?」
「そうなのですか!?」
「ま、4分の3は人間だから、ほぼ人間だと思ってくれていいよ。血も飲めないし」
そう言って皐月くんは、口を開けて見せてくれました。
ヴァンプ特有の牙はなく、人間と何ら変わらない八重歯が覗いていました。
「だから昔から人間以外の種族に興味津々でさ」
「桃李の父親は異種族の外交官やってて、色々詳しいんだよ」
「人間には興味ないけどね」
そう言ってクイッとメガネを押し上げる皐月くん。
何だか妙に妖艶な色気があるのは、4分の1のヴァンパイアの血のせいなのかもしれませんね。
「だけど蜜月さんには興味あるよ。
ヴァンプの中でもエリートと言われる暁月家のヴァンプに見初められ、専属契約を交わした。
更には幼児化なんて、面白すぎるよね」
「桃李!俺の小宵を変な目で見るな」
「研究対象として興味あるだけだよ。
むしろよくわからない…なんでリユをここまでご執心にさせるのか……。
君、ただの人間だよね?」
「は、はい……」