溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
皐月くんはやれやれと溜息をついていました。
「皐月くん、ありがとうございました。
ご期待に添えずすみません」
「いや…それ君が謝ることなの?」
「皐月くんをガッカリさせてしまったようなので」
「まあ確かに拍子抜けしたけど……君って変わってるんだね」
私、そんなにおかしなことを言っているでしょうか……。
「桃李、小宵に興味持たないで」
「持ってないよ。むしろリユの執着ぶりの方が興味あるね」
「男どもうるさい。もう帰ろう、小宵」
「あ、はい……」
……何だか眠くなってきてしまいました。
頭脳は16歳ですけど、体はすっかり6歳のようで…疲れやすいみたいです。
「小宵、眠いの?」
こてんと寄りかかった私をマオちゃんが抱っこしてくれました。
「すみません、眠くなってしまって……」
「疲れたよね。よしよし」
「マオ、俺が連れてく」
「女子寮に入る気?この変態」
「ぐ……っ」
「小宵はマオがちゃあんと連れて行くから」
べーっと舌を出したマオちゃんは、既に半分寝ている私を抱っこして寮に戻って行きました。
マオちゃんの抱っこが心地よくて、私はいつの間にかすやすやと眠ってしまっていたようです。
ごめんなさい、リユくん。
明日は16歳の姿で会えますように――。