溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
「んー…?桃李?
……って、小宵…子どものまま?」
「そうなの!!24時間経ってるのに戻ってないんだけど!?」
私の姿を見てリユくんは覚醒したのか、皐月くんを呼んでくれました。
皐月くんは既に制服に着替えていました。
「あれ、ちびっ子のままじゃないか」
「どうなってるの!?」
「どういうことだろう?」
「話が違うじゃない!!」
「マオちゃん、落ち着いて……」
「とにかく、昼休みにもう一度図書館に行って調べよう。小宵、大丈夫?」
「私は平気ですが、リユくんは……」
「へーき。これあるし」
リユくんが見せてくれたのはパックのトマトジュースでした。
「トマトジュース?」
「これ代わりに飲んでるから大丈夫だよ」
「ヴァンプは血が飲めない時トマトジュースを代わりに飲むんだ。吸血衝動を和らげる気休め程度だけどね」
「桃李、余計なこと言うな。大丈夫だからね、小宵」
リユくんはそう言って笑ってくれましたが、いつもより顔色が悪いような気がします……。
寝起きだからというわけではありませんよね?
血を飲めていないからですよね?
「そんな顔しないでよ。本当に大丈夫だから」
「でも……」
「そろそろ授業に遅刻するから、一旦切るね」