溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


「んー…?桃李?
……って、小宵…子どものまま?」

「そうなの!!24時間経ってるのに戻ってないんだけど!?」


私の姿を見てリユくんは覚醒したのか、皐月くんを呼んでくれました。

皐月くんは既に制服に着替えていました。


「あれ、ちびっ子のままじゃないか」

「どうなってるの!?」

「どういうことだろう?」

「話が違うじゃない!!」

「マオちゃん、落ち着いて……」

「とにかく、昼休みにもう一度図書館に行って調べよう。小宵、大丈夫?」

「私は平気ですが、リユくんは……」

「へーき。これあるし」


リユくんが見せてくれたのはパックのトマトジュースでした。


「トマトジュース?」

「これ代わりに飲んでるから大丈夫だよ」

「ヴァンプは血が飲めない時トマトジュースを代わりに飲むんだ。吸血衝動を和らげる気休め程度だけどね」

「桃李、余計なこと言うな。大丈夫だからね、小宵」


リユくんはそう言って笑ってくれましたが、いつもより顔色が悪いような気がします……。

寝起きだからというわけではありませんよね?
血を飲めていないからですよね?


「そんな顔しないでよ。本当に大丈夫だから」

「でも……」

「そろそろ授業に遅刻するから、一旦切るね」


< 30 / 57 >

この作品をシェア

pagetop