溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
通話を終えて朝ご飯を食べ、マオちゃんを見送りました。
昼休みまで一人でお留守番です。
この体では出歩けませんし、どうしましょう……。
何か自分でもできることはないでしょうか?
「あっ花壇の水やり!」
昨日は水やりを忘れてしまいました!
この体では……いえ、できることをやってみます。
私は誰かに見つからないように、こっそりと外へ出て用具室に向かいました。
いつも使っている大きめのジョウロは持てないので、子ども用のゾウさんジョウロを手に取ります。
確かこれ、何かのイベントの時に使ったものがそのまま残っていたんですよね。
運良く手の届くところにあってよかったです。
蛇口でお水を出すのも一苦労でしたが、何とかお水を入れることができました。
「昨日は来れなくてごめんなさい。お水が少ないけど、許してくださいね」
頑張って何度かお水を入れ直し、蛇口と花壇を往復しました。
これで全てのお花に行き渡ったと思います。
「綺麗なお花が咲きますように」
それからまたこっそりと寮の中に戻りました。
着いた頃にはヘトヘトで、私はまた眠ってしまっていました。
「――小宵!起きて!」
「ふわあ……マオちゃん?」
「昼休みだから迎えに来たよ!」