溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
リユくん――……
「でも、期限がいつまでかわからない以上、1ヶ月このままの可能性もある。
そうなったらリユは1ヶ月血も唾液も吸わないってこと?」
「そうなるな」
「無茶だ!死ぬぞ!」
「それまでに術者を見つけ出して解かせればいいだけだろ」
「っ、そうだけど……」
そ、そんな……。
このままではリユくんが……どうしましょう――。
「小宵、大丈夫だよ。そんな顔しないで」
「でも……っ」
「しばらくはトマトジュースで何とかなるよ。
心配しないで」
リユくんはそう微笑んで、優しく私の頭を撫でてくださいました。
でも、やっぱり顔色が白いというか青いように感じます……。
私が子どもにされたばっかりに、リユくんにこんなにも我慢を強いることになるなんて。
「リユくん、私は……」
――このままリユくんの傍にいていいのでしょうか?
血をあげられない私にリユくんの傍にいる価値など、あるのでしょうか?
私がリユくんの恋人でいられるのは、私に流れる血の味が美味しかったから。
ただそれだけなのに――。