溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
皐月くんの素直なところは好ましいなぁと思います……多分。
「あと水が苦手も言われるっけ」
「これも人間とほぼ変わらないな。泳げるヴァンプもいれば、泳げないヴァンプもいる」
「僕はカナヅチだ」
「偉そうに言うことじゃないから」
「リユくんは泳げるのですか?」
「……もちろん」
今ちょっと間があったような?
「え?そうなの?マオ、リユが泳いでるとこ見たことないけど」
「マオが知らないだけだよ」
「リユもカナ……」
「うるさい!!次いくよ!!」
何か言いかけた皐月くんの口を慌てて塞ぐリユくん。
何となくお顔が赤いような気がしますが、気のせいでしょうか?
「あと何かあったっけ?」
「十字架に弱いというのも聞いたことありますね」
「ああ、それはないかな。昔は弱かったらしいけど、今は別に……十字架のアクセサリーとか普通に付けるし」
「そうなのですね。意外と私たち人間とそんなに変わらないのですね?」
「現代社会に溶け込むため、ヴァンパイアの生態も変わっていったらしい。
ヴァンパイア狩りとかないしね」
これは歴史の授業で勉強しました。
昔は人間以外の種族を強く差別し、異種族を迫害する人間が多くいたのだとか。
逆に人間が襲われるようなことも多々あったそうです。