溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


* * *


翌日、私はマオちゃんの提案で一緒に学校に行くことに。
親戚の子を突然預かることになりました!というなかなかに強引すぎるものですが、何とか先生にOKをもらいました。

化け猫の子どもという設定なので、猫耳パーカーを被っておもちゃの尻尾を付けています。


「かわいい〜!!」
「お名前なんて言うの?」

「なっ名前!?ええっと……」

「猫月ヨイコ!ヨイちゃんって呼んでね!!」

「そ、そう!ヨイコです……!!」


マオちゃん、ちょっと安直すぎませんか!?
これ、私ってバレないでしょうか?


「そういえば、最近蜜月さん来ないけど大丈夫なの?」

「あーー、小宵は風邪が長引いてるみたいで……」

「なんかヨイちゃんって蜜月さんと似てない?」


――ギクリ。


「そ、そうでしょ〜!?他人の空似なんだけどね〜!!」

「そうなんだ」


強引すぎる気はしましたが、流石に私が幼児化しているとは誰も思わないようで、何とか誤魔化せました……。

授業中も大人しくしているという条件で、マオちゃんの隣に座らせてもらっています。
何気にお勉強ができてよかったです。

心まで幼児化しなかったのはせめてもの救いですね。



「――ねぇ、聞いた?今日体育の授業中、リユくん倒れちゃったらしいよ」


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