溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
「――やめろ極月っ!!」
大きな叫び声が聞こえた瞬間、苦しさが少し和らぎました。
「リユ、くん……」
「小宵を離せ……っ」
リユくんの顔は真っ青で肩で息をして、非常に苦しそう。
もう体が限界なのでは……!?
極月さんはリユくんの登場に動揺したようで、少しずつ私の周りの空気が元に戻っていきます。
「どうして……どうしてそこまでこの子に執着するの?」
「好きだから」
「死んでもいいの?」
「いいよ……死んでも他の女の血はいらない」
苦しそうにしながらも、ニヤッと微笑むリユくん。
こんな時にと思いながら、胸のときめきを隠せませんでした。
「俺は生涯、小宵の血しか吸わないし、小宵しか愛さないって決めたから」
リユくん――……
「大好きだよ」
「……っ!!」
息ができるようになった途端、私は走り出してリユくんに抱きつきました。
涙でぐしゃぐしゃになった汚い顔でしたが、夢中で彼にしがみついていました。
「わたしも…リユくんがすきです……っ」
「小宵……」
リユくんは震える手で、でもしっかりと私を抱きしめてくれました。
その温かさにまた涙が溢れます。
私はどうして、リユくんの気持ちを疑っていたのでしょうか――?
リユくんはずっと伝えてくれていたのに。
彼の言葉には間違いなく愛情があったのに。
いつでも私を優しく包み込んで、心から大事にしてくれていたのに。