溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。



「……やっと、きけた……」

「リユくんっ!?」


リユくんはその場に崩れ落ち、青白い顔のまま倒れて動かなくなってしまいました。


「リユくん!リユくんっ!!いやです……っ」


こんなの絶対に嫌。
お願いだから、目を開けてください……。


「リユくん……っ!」


神様。
もし神様がいるのなら、どうかリユくんを助けてください。

私はどうなっても構いません。
だからお願い、リユくんだけは助けて――……。

祈りを込めて、リユくんにキスしました。
このまま一生子どものままでも構いませんでした。

少しでもリユくんの体が楽になりますように。


「…………っ!」


唇を離した直後、私の体に急激な違和感を感じ、今度こそ意識を手離しました。



* * *


「……い、小宵っ!」


この声は……マオちゃん……?


「小宵!しっかりして!!」

「マ、オちゃ……」

「小宵っ!!」


薄っすらと目を開けると、そこには金色の瞳に大粒の涙を溜めたマオちゃんがいました。


「小宵!よかった……!!」


ボロボロと涙を溢しながら、マオちゃんは私の手を握りしめます。
包まれた私の手が小さくないことに気づきました。


「……あ、わたし……」

「元に戻ったんだよっ!」


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