溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


足元に視線をやると、足が伸びていました。
ちゃんと16歳の姿に戻れたようです。


「どうして……?」

「わからないけど、魔法が解けたみたい」

「っ、リユくんは?」


そうです、リユくん……っ!!
体が元に戻ったのなら、今すぐ血を差し上げないと……!!

私は体を起こし、ここは保健室のベッドの上だったと認識しました。
飛び出して行こうとする私をマオちゃんが止めます。


「落ち着いて!リユなら大丈夫。今病院にいるから」

「無事なのですか?」

「皐月から連絡あったけど、輸血して今は落ち着いてるみたいだよ」

「よかった……」


本当に、よかったです……。


「極月イリアがリユのこと病院に運んだらしい。小宵をここに連れて来たのも極月イリアらしいから、反省して魔法も解いたのかも」

「極月さんが……?」

「あと今回の件、先生に報告しちゃった。流石に病院沙汰になっちゃったしね。
だから極月は謹慎処分になったよ」

「そうですか……」

「小宵は体大丈夫?」

「はい、もう何ともないです」

「よかった。もう、心配したよ〜!」


マオちゃんはぎゅうっと私を抱きしめてくれました。
私も抱きしめ返し、しばらく二人で無事を喜び合いました。


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