溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
* * *
リユくんは一日で退院しました。原因が血液不足だったので、輸血すればすぐに良くなったようです。
この回復力は流石のヴァンパイアといったところでしょうか。
「リユくん!」
寮に戻ってきたリユくんを一番に出迎えました。
私に気づくと、リユくんは駆け寄って抱きしめてくれました。
「小宵!無事でよかった!」
「それは私もです。リユくんが無事で本当によかった…」
「小宵、もっとよく顔を見せて」
私は遠慮がちに顔を上げると、リユくんは私の頬を撫でて微笑みます。
「小さい小宵もかわいかったけど、やっぱり今の方が好きだな」
「リユくん……」
視線が絡み合い、引き寄せられるようにキスをしました。
触れた唇から確かな愛情を感じて、全身がとろけそう。
「リユくん、好き……」
思わず溢れ出ていた想い。
ずっと言葉にできなかった想いが、今はこんなにも溢れ出て止まりません。
「これからも、好きでいてもいいですか……?」
「小宵…っ!」
リユくんはキツく強く抱きしめてくれました。
もう絶対に離さないと言ってくれているみたいに。