溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


マオちゃんはどうやらリユくんがお気に召さないようですが、私は二人が仲良くしてくれたら嬉しいです。


「私はマオちゃんも大好きですよ」

「小宵……!!マオも小宵大好き!!」


私にとってマオちゃんは大切な親友です。

種族関係ない共存を謳っていても、現実はまだまだ隔たりがあります。
基本的に人間と人間じゃない者といった分けられ方をされています。

マオちゃんは昔いじめられ、怒って化け猫になっていじめっ子を怪我させてしまったことがありました。
危険な種族、だなんて誤解されてしまうこともあります。

マオちゃんはこんなに優しくてかわいくて、素敵な女の子なのに。
私はマオちゃんとお友達になれて、とっても幸せです。


「蜜月さん、よくルームメイトとあんなに仲良くできるよね」
「人間じゃないとやりにくいのに」

「なんであんな普通の子がリユくんの彼女なの?」
「意味わかんない」


私はこの学校の中では浮いた存在で、高校に入学してからマオちゃん以外のお友達は作れていません。


「あいつら……!!小宵を悪く言うなんて……っ!!」

「マオちゃん、大丈夫です。気にしてませんよ」


元々引っ込み思案な性格ですし、普通の子は事実です。

本当に私みたいな人間がリユくんとお付き合いしているなんて、宝くじに高額当選したのと同じなのです。


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