溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
* * *
放課後、個人的な日課で校庭の花壇に水やりをしています。
うちはお花屋さんなので、物心ついた頃からお花に囲まれて育ちました。
綺麗なお花たちが頑張って成長して、立派に咲くところを見ていると、元気をもらえます。
「明日も素敵に咲きますように」
「小宵」
「はっ!リユくん!」
花壇の目の前の窓からこちらを覗くリユくん。
会えただけで嬉しくてドキドキしてしまいます……!
「今日も水やりしてるの?」
「は、はいっ!お水は大事ですから」
「頼まれてもないのに、毎日楽しそうにやるよね」
「はい!お花のお世話は大好きなので!
それに誰かがここを通った時、綺麗だなって思ってもらえたら嬉しいです」
些細なことかもしれませんが、誰かの心の安らぎになってくれたら良いなって、そう思うのです。
すると、リユくんがちょいちょいとこちらに手招きしました。
「なんだろう?」と思いながら近寄ります。
「俺のことも潤して」
「えっ!?でも血はさっき……!」
「そうじゃなくて」
グイッと腕を掴まれて引き寄せられ、チュッと触れるだけのキスされてしまいました。
「俺にも構ってよ」
「はわわ……っ!」
破壊力抜群すぎですリユくん……!!