御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
どう考えても二年目の私なんておかしいけど、とにかく会社は売上が何より大切なんだろう。
挨拶は月並みな言葉を並べた。何しろ最年少。頭はひたすら下げるに越したことはない。
「水川さん」
肩を叩かれ振り向くと、茶髪に目がぱっちりしたお人形のような可愛い子が私を見て笑っている。
名札を見ると『専務取締役秘書 小出優花』と書いてある。小出さんって、あの美人で有名な同期の小出さん?
「小出さん?う、うわあ、本当に可愛いね。色々大変でしょ?」
小出さんはぷっと吹き出してお腹を抱えて笑い出した。
「嫌だ、面白いねえ、水川さん。同期に会えて嬉しいよ。しかも、社長賞。おめでとう、すごいね」
「あ、ありがとう。何かのまぐれだから……」
「ま、まぐれって……ぷぷっ!本当に面白い人ね」