御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
「水川さん」
振り向くと、紗良先輩の旦那様だ。
「社長賞おめでとう。紗良からもお祝いを伝えてと頼まれたんだ」
「ありがとうございます。あの、先輩はその後……」
「ああ、実はその報告もあってさ。おととい無事出産したんだ。男の子だった」
私は嬉しくてジャンプしてしまった。良かった。心配していたの。
「おめでとうございます。先輩はお身体大丈夫ですか?」
「ああ、母子ともに元気。あのときは迷惑かけたね。急にいなくなって大変だっただろ?この間はお守りまでもらってさ。ありがとうな、喜んでたよ」
「いいえ。こちらこそ、お手伝いできなかったせいでお身体具合悪くなったんじゃないかと申し訳なくて。いつも大丈夫としか先輩言わないから心配でした」