御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
交差する想い
翌日、同期で親友の佐知からお祝いしてあげると言われて、終業後ふたりで会社を出た。
お酒好きな佐知がいつもなら居酒屋なのに、今日は洋食レストランを予約してくれた。
でも、ワインは頼んでたけどね。
「おめでとう、香那」
「ありがとう、佐知」
ふたりで乾杯すると、私の大好きなオムライスを味違いで頼んで、交互に食べながら話が弾んだ。
デザートが出てくる頃になり、ワインをハーフボトルのほとんどを飲んでしまった佐知がこちらをじっと見て話しだした。
「香那……あのさ、橋本君から告白とかされたりしてないよね?」
「……え?」
「なんかさ、橋本君って絶対香那のこと好きだよね。気付いてるんでしょ?」
「好きなんて言われてないよ。仲は確かにいいけどね。博士に頼り切りで私甘えすぎだよね、だから周りに誤解されてるのかな」