御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 そして、報告はしようねと約束して。
 
 その翌日。
 
 なんと、今度は橋本君から受賞祝いで飲みに行こうと誘われた。実はそのうち私のほうが彼を食事に誘おうと思っていたのでびっくりした。社長賞は賞金も出るのだ。パンフレットが理由だとしたら、半分は橋本君のお陰だと思うので奢ってあげたかった。

 「……だからね。今回はお祝いではなくて、共に受賞を祝うということで、私のおごりにして欲しいの」

 誘ってくれたとき彼にそう話した。橋本君はびっくりした顔をしていたが、嬉しそうに笑った。

 「じゃあ、せっかくだから奢ってもらうかな。こんな機会はそうそうない。ごちになります」

 そう言って、約束した。

 昨日の今日だし、博士と飲むなら一応佐知に言っておくべきかと悩んだ。だが、かえって自分だったら聞いたら気になると思うので、あとで報告にしようと決めた。
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