御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 いつもの居酒屋に行く。ふたりで飲むのは四回目。結構、同期で同じ部だから一緒に誘ったり誘われたりしてきたが、佐知に言われるまで深く考えていなかった。私も悪いのかもしれない。

 「社長賞にカンパーイ!」

 何か、よそよそしい。私も昨日のこともあって、少し緊張している。博士が無口だ。誘っておきながら何なのかしら?

 「博士?具合悪いの?もしかして無理してきた?」

 「あ、いや。別に大丈夫だ」

 「そう?なんか、静かだし、いつもと違うような……」

 私はお腹がすいているから最初から結構食べまくった。

 そんな私をじっと見てる。

 「ん?何?」

 橋本君はビールを飲んでばっかり。もう中ジョッキ三杯目。大丈夫かな?
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