御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「……そうか。わかった」

 「ねえ、博士もすごく素敵な人だよ。優しいし、博学だし……」

 橋本君は手を振った。

 「いいよ、気を遣ってくれなくても」

 「そんなわけないじゃん!」
 
 私は大きな声を出してしまい、周りがこちらを見る。

 「……あ、ごめん。だって、本当に救われてきた。私、一年目なんてほんとうに仕事辞めたくなったときが何度もあった。それを慰めたりしてくれた博士に助けられてここまで来た。感謝しかない。本当にいい人だもん。私みたいなポンコツと本当はつりあわないと思う」

 橋本君は笑い出した。

 「……ポンコツって。ポンコツが社長賞取ったのかよ?」
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