御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
私が小さくうなずくと、彼は満面の笑みを見せてくれた。
「でもどうして私?納得いかないです」
「そうだな。お前があの継母のビンタを受けてくれて、俺に好きなようにしろと言ってくれただろ」
「……あ、言いましたね。生意気言ってすみませんでした」
「いや。あれが決め手だな。いい意味で吹っ切れた。それ以降、お前の素直なところやドジなところも好きになった」
それって絶対褒めてない。複雑な顔の私を見て嬉しそうに笑ってるし。
「本部長は私をプライベートもウサギにしてくれるんですか?」
「いや。俺好みの極上の女に育ててやる。覚悟しろよ」
恥ずかしすぎて、本部長の顔が見られなかった。
帰り道、本部長は私の手を引っ張り、軽く一度握ると、ぱっと離した。