御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「香那」

 甘い声が聞こえてきた。突然の名前呼びに言葉を失った。恥ずかしい。

 「くくく。お前、今頃真っ赤だな」

 「……なんでっ」

 「もう大体お前のことはわかってきた。それと、しばらくは会社では付き合っていることを内緒にしよう」

 「わかりました。私もその方が助かります。本部長はファンクラブの皆さんがいるし、またいじめられてしまいそうです」

 「……本部長とは誰のことだ?」

 「……え?もう。しばらくは許して下さい」

 「やだね。香那をプライベートでも育てると言っただろ。まずは、呼び方だ。あまりひどいようならペナルティーを作るぞ」

 「……頑張ります」
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