御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
 
 「あのパンフの部屋を作るというんだ、どう考えても彼女ありきの企画だろ?」
 
 父も察しが良すぎて、両親そろってこれだから俺は苦労する。
 
 「……その通り」
 
 「で、肝心の彼女は何て?」
 
 考えたくもない。あんなに嬉しそうな彼女は久しぶりに見た。
 
 俺は思い出してため息を付いた。
 
 「ははは、お前というやつは。そうか、お前を捨ててそっちへ行きたいと言われたな、さては……」
 
 父は俺を見ながらニヤニヤしている。そうはっきり言われるとショックだ。
 
 「はあ」
 
 「あー、ははは、面白すぎる。由奈最高だ!」
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