御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
「わかったよ。お前の言う通り帰る」
「はい。一人で帰れますか?車回しておきます」
「ああ。今日は頼む」
「はい、じゃあお疲れ様でした。そのまましておいていいです。私がやっておきますから」
仕事を片付けると定時だった。本部長がいない方が仕事の進みが早い。これなら、本部長の様子を見に行けるかもしれないと思った。
メールをしたが、返事がない。やはり寝ているのかもしれない。一応、熱があっても食べられそうなものを買ってあのマンションへ行ってみた。
インターフォンを押す。すると、女性の声がした。え?誰か一緒に暮らしてたの?私が戸惑っているのが画面で見えたのだろう、出た人が言った。
「あ、こちらは椎名英嗣さんのおうちです。私は家政婦ですので、ご安心下さい。失礼ですがどちら様ですか?」