御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 若い女性の声。家政婦さんだったのか。びっくりした。

 「あ、私は会社の部下の水川と言います。今日具合が悪くて早退されたので心配で……」

 「まあ、ご丁寧にありがとうございます。英嗣さんは寝てますけど、上がっていらっしゃいますか?」

 「あ、じゃあお見舞いの品物だけお渡しします」

 「じゃあ、どうぞ」

 そう言うと、エレベーターホールまでの扉が開いた。
 部屋の前まで行くと、インターフォンを鳴らす前に扉が開いた。

 「あ、初めまして。すみません、本部長は大丈夫ですか?」

 目の前には若い女性。本当に家政婦さんなの?私は少し疑ってしまった。

 「ええ。今日は私が昼間いる日だったので看病出来てよかったです。英嗣さんは薬を飲んで寝てます。忙しいとよく熱を出されるんですよ」
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