御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
私は彼のデスクの前まで行くと、思いきって言った。
「どうしてそんなに急いで仕事しているんですか?病み上がりですよ?」
「いや、あまり時間がないから……」
「子会社にいる時間ですか?それは本部長ひとりでやらないといけないことですか?」
「……お前」
「身体壊すまでやる必要ありません。それに、本部長がいなくなってもこの席に誰か来るんですよね?」
本部長が怒った顔をして私に噛みついた。
「生意気言うな、水川。よくわかりもしないくせに……」
私は負けられなかった。イライラしていたのもあって、感情のコントロールが効かなかった。
「どうせわかりませんよっ!でも、英嗣さんがこのままだとまた無理して具合悪くなるのはわかります!何のために私がいるの?わ、わたし……」