御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
そう言って、腕を引き抱き寄せると顔を左手で上向けて、噛みつくようにキスをしてきた。
私も彼にしがみついてキスをする。
だんだん深いキスになって彼に後ろへ倒されてしまった。
「……あ、はあ……」
唇が離れて、耳元で呟いた。
「内覧終わったらゆっくり可愛がってやる」
恥ずかしい。お付き合いは学生時代にしていたが、就職前に別れてしまった。彼氏ができるのも久しぶりで自分でも彼のような年上の男性とお付き合いできるのか不安だった。
真綿にくるむように大切にされて、どうしたらいいのかわからない。
「時間だ、行くぞ」
そう言われて、ふたりでエントランスまでエレベーターで下がった。
エントランスを出てすぐの生け垣近くにスーツ姿の男性が立っていた。