御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「おい?」

 「なんか、変。だってこんなに甘い人じゃなかったのに。いじめられてばかりだったのに。可愛いとか……絶対嘘」

 布団ごと抱きしめられた。めくると私のおでこにキスをする。

 「嘘みたいだよな。俺も初めて知った。本当に好きな奴には俺は溺甘になるらしい」

 「ええ?何ですか、その私が初めてみたいな言い草は……」

 彼は横を向いて呟いた。

 「いや、お前が初めてだ。また、食べたくなった。飯じゃなくてお前のこと。早く服着てくれ。じゃないと……」

 ちょ、ちょっと待って。どういうこと?

 私は急いでベッドから降りて、服を着た。何か、綺麗になってる?彼がやってくれたのかな。
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