御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
木村さんもうなずいた。本郷さんはみんなを見回して、話をまとめた。
本社役員室へ行って、皆の意見を本部長にあげてくると言う。
彼はもう本社の人だ。ここには席はあるがほとんど来ない。
今日の夜は史人と約束がある。実は今日は英嗣さんも接待。本社に戻ってから、会食が増えた。
私が史人と会うことは彼に言ってある。そして、おそらく英嗣さんとお付き合いしていることも話すことになるだろう。
彼からは、気付いていると思うがきちんと交際していることを話せと言われた。
しゃれたバルに史人が連れて行ってくれた。
彼は建築士を目指していただけあって、インテリアや建物の造りなどに昔から興味があった。
美しい物が好きで、よくそういうところに連れて行かれた。それに触発されたところもある。
今の会社に私が入ったのは、料理が好きだったのもあるが、身近なものに美しいデザインをいずれしたいと考えていたからだ。