御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
確か、五反田のほうに住んでると最初言っていたのだ。
揺り動かしたら目が覚めて、住所を教えろと言うと、嬉しそうに俺を見て住所を言った。
馬鹿め。絶対にお前の策略にのるものか。
俺は運転手に住所を告げて、マンションへ着くと、鍵を受け取り彼女をひきづって部屋まで連れて行った。
鍵を開けて、彼女を部屋へ放り込む。腕をつかんで離さないが、無理矢理離してドアを閉めようとしたら、彼女が足を挟んでドアを閉めさせないようにした。再度俺の腕をつかむと睨んで言った。
「英嗣さん。どうして帰るの?やっと同じところで働けるようになったんじゃない。もう一度やり直しましょ」
「……俺には付き合っている女性がいる。悪いがお前に未練も興味もない。せっかく昇進したんだ、頑張れよ。上司として応援はしてる」
そう言って、彼女の腕を放した。涙目でこちらを見ている。
「田村に聞いたぞ。あまり仕事のことも思い詰めるな。セクハラは俺に言え。俺の下では安心して働け」