御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
廊下を進むと、バスルームへ続くドアから顔だけ出した彼女が睨んでいる。
「来るなら事前に言って下さい。ちょっと待って、お風呂から出て着替えてるの」
「ふーん。俺も風呂入りたかったからもういっかい一緒に入ろうか?」
すると、ドアを閉めて鍵をした音がする。
「……結構です」
俺はしょうがないから冷蔵庫から冷たい水を出して飲んで待っていた。
しばらくして風呂上がりの彼女が出てきた。いい匂いだ。
「きゃあ、何?やめて……」
抱きついた俺を突き飛ばした。
「何だよ、香那。冷たいな……まさか、あいつとなんかあったんじゃないだろうな?」