御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 当日はモデルルームでのすりあわせがあるので準備もあり翌日から忙しくなった。

 飲み会の前日。ようやく仕事を終えて家に戻ると、いったん着替えて彼の部屋へ行った。

 最近は食事を作るのは彼の部屋で、彼が帰りの遅いときに帰ってから食べられるようにして作りおきしている。
 そうじゃないと外で食べてきてしまうので、なるべく家で食べた方が身体にもいいからわざと作っておくのだ。

 私は自分で言うのもなんだけど、料理が得意なので喜んでもらえているようだ。

 玄関が開いた音がした。パタパタとスリッパの音を立てて、彼を迎えに行く。

 「お帰りなさい」

 「ただいま。いい匂いだな」

 「うん。丁度いいときに帰ってきましたね。一緒に食べましょう」

 そう言って、白菜と豚肉の鍋やわかめとキュウリの和え物、お刺身などを並べた。
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