御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 言葉の通り夜半まで彼に愛されて、その翌日の朝は眠かった。

 「……か、な、おい、香那」

 「……ううーん」

 ペチペチと頬を叩く音で目が覚めた。え?ワイシャツを着ている彼がこちらを見てる。

 「やっと起きたか。そろそろやばいんじゃないか?いくら近いと言っても……」

 時計を見ると八時。嘘でしょ?どうして起こしてくれないの?
 すごい勢いで飛び起きた。ああ、もう……。シーツを前に引っ張る。

 「ちなみに三回起こした。朝ご飯作ってあるから、食え。俺はそろそろ先に出るから閉めて出ろよ」

 「……許さない。全部英嗣さんのせいだから」

 「そうだな、俺のせいだ。でも俺は大満足だ。ごちそうさま」
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