御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
「そうですね。あなたがうちの社長の息子さんであることを知る人が社内に最近増えてきました。この提携で知られたようですよ」
「……いいことばかりではないな」
「社長から少し聞いたんですが、義理の弟さんが入社しているそうですね。親族も役員とか……大変でしょう。こっちにいらしたらどうです?そのほうが居心地いいでしょうに……」
「居心地はどうだろう。そちらでも母の後釜を狙う人はいる。どこへいっても色々言われる立場だろうな。母は君にそんな話をしたのか……」
「どうしてかわかります?香那とのことを社長に話しましたから……」
「え?」
「彼女の過去も気になるのかもしれないと思って、偶然内覧担当であなたたちと出会ったことやできれば提携プロジェクトの担当になったほうが彼女の意図をうまくくみ上げてやれることも話しました」