御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「え?」

 「橋本からメールが来てた。篠田のこと、お前が悩んでるってな」

 「ええ!?」

 彼は近寄って来て、私の頬を両手で挟んだ。

 「どうして言わない?いくらでも違うって言ってやるのに……」

 私が視線を下に向けたのを見て、顔を上向きにさせて、彼はキスを落とした。

 「この間、紗良先輩に過去のはなしをお聞きしました」

 「……なんだと?」

 「別に疑っているわけじゃないけど、複雑な心境で……」

 「吉崎の奴。今度あったらただじゃおかない……」
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