御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
「親父が俺を本社へ戻したがっているようなことを言ったらしくて、あの後妻は息子の席を俺に取られると勘違いして慌てているんだ」
「なんか、その息子さん哀れですね。母親がそんなことしてると知ったらがっかりするのに……」
本部長もうなずいている。
「その通りだ。弟は母親のそういうところを嫌悪している。俺と仲がいいのも母親は気に入らないんだろ」
「……本部長って大変だったんですね」
「いや、別に大変じゃないが、いちいち逆らうとあの人は余計エスカレートする」
そう言って、お酒を出して飲み出した。
「社長が本部長に期待するようなことを言って欲しくないってことですか?」
「……まあな」