御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 本部長はまた笑ってる。

 「とにかく、本部長のその秘密は誰にも話しませんけど、ピンチの時にはお助けしますから言って下さい。その……大して役にたたないかもしれないけど、その奥様がまた現れたら、私が適当に居留守使ってあげたりしますから……」

 「ああ。ありがとう。頼りにしてるぞ」

 にたりと笑う。

 「……え?た、頼りにされても困りますけどね。出来ることしかしませんよ」

 「何もしなくていい。危ないからな。また殴られるぞ……さあ、駅まで送っていく」

 「あ?え、近いからいいですよ」

 「こういうときは送ってもらうんだよ」

 「あ、はい」
< 44 / 283 >

この作品をシェア

pagetop