御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「俺は女一筋だ。変な勘違いすんな」

 「だって、モテそうなのに、どうして一人なのかなって……」

 「まあ、まだ現れてないんだよ、そういう人が……」

 「ずいぶんえり好みされてるんですね、さぞかし……」

 「お前、難癖つけるの好きだな」

 「だって。絶対モテるでしょ、本部長。社内だって本部長が通ると女子社員がざわざわしてます」

 「じゃあ、俺と付き合ってみるか?どうして結婚してないかわかるかもな」

 はははと笑っている。何なの?駅が見えた。

 「本部長送っていただき、ありがとうございました。また、明日」

 「ああ、気をつけてな」

 そう言って別れた。本部長は私が改札へ入るのをじっと見つめている。振り返り頭を下げると手を振ってくれた。
 
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