御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
「そうだね。本格的に忙しくなってきた」
「椎名本部長って怖くない?格好いいけどさ、厳しいよね」
「そうねえ。うちの吉崎先輩の前では笑うんだけどね。他ではまるで武士みたい」
佐知が笑い出した。
「武士って、おかしい。言いたいことはわかるけど。吉崎さんのこと気に入っているでしょ」
「そうなの。もう、別人かと思うことあるよ」
「あはは。頑張ってね」
そう言って、別れた。
トイレを出たら、びっくりした。なんと噂の本部長が廊下の目の前にいた。聞かれちゃったかな……。
「……武士で悪かったな」