御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「先輩。無理しないで下さい。後で私やりますから」

 「うん。ありがと。出来ることはやっておくね。ほら、行っていいよ」

 「吉崎さん。俺も後で水川のこと手伝うので無理しないで下さい」

 橋本君が紗良先輩に言った。先輩は笑顔でうなずいて手を振ってくれた。

 私達は準備委員の部屋へ移動した。
 パンフの最終チェックと注文部数などをふたりで確認していたら、本部長が入ってきた。

 「橋本。水川を借りたいんだが、いいか?」

 「えっと、どのくらいですか?」

 「実は本郷達が入荷手配した商品だが、工場の手違いで今日夕方イベント会場へ納品になってしまうそうなんだ。それを会場でピックアップしないといけない。本郷達は別な入荷先へ今日は行っているんだ。俺が車を出すから水川を借りていいか?」
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