御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「あっぶねえな」

 後ろから本部長が倒れそうになった段ボールを間一髪支えてくれた。私も倒れないですんだ。
 
 「ありがとうございます」

 「無理すんな。今度は別なところを怪我すんのかよ、やめてくれ」

 「そう言えばそうですね。本部長といるとアクシデントに見舞われやすいのかな?怪我しやすいかもしれない……」

 「お前は何故自分のうかつさを棚に上げて、どうして全て俺のせいなんだよ」

 「そうですね、確かに考えなしに突っ走るところは認めます」

 本部長は私のことをじっと見た。

 「その割には仕事は慎重なんだよな」

 「……すみません、のろのろで。猫になるよう頑張ります」
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