御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
「何を?」
「さっき会った俺の部下。彼女にその後妻さんともめていたところを見られてね」
「なんですって?何か言いがかりでもつけられたの?あの女……離婚した私にもお前のことで言いがかりつけてくるのよ」
「ああ、それで俺がやり過ごそうとしたら彼女が言ったんだ。気にする必要ない、本部長は仕事できるんだからやりたいようにやるべきだって。父さんもわかっているし、そんな風に気を遣ったら弟さんが哀れだって言われたよ」
母は、笑い出した。
「それは、面白い子ね。普段から良い関係なのね。あなたが上司でもきちんと意見を言える環境を作ってあげているって事でしょ?」
「あいつはそうだな、思った通り、口に出すだけだろうな。俺のことも上司と敬うところはない。ポンポン言い返してくるからよくわからん」
母は俺の顔を見ながら、言った。