御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 「なんだ?俺が上司なんだから先に言えよ」

 「内緒よ。とりあえず、イベントの状況を見て考えるわ」

 「どういう意味だ?」

 「ふふふ。私の想像が当たっていたら相当あのパンフの商品は売れるわよ」

 「何だと?」

 「まあ、いいわ。今日はここまで。イベントが終わったら、連絡ちょうだい。どのくらい売れたかもね」

 母はそう言って帰って行った。

 母の言ったとおり、パンフのあの会話に出てきた商品だけがばか売れして、俺は母の先見の明に舌を巻いた。

 吉崎は常々言っていた。
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