御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 フロアを見ると、橋本と一緒に残っている。

 橋本は彼女に気持ちがあるようだ。イベントの前から少し気付いていたが、今も水川の仕事を率先してやっている。

 「おい、二人ともそろそろ終わりにしろ」

 「あ、はい」

 水川の返事がない。

 「おい、水川、終わりにしろ」

 「……あとちょっと」

 パソコンを睨んでいる。後ろからのぞき込むとびっくりしたように、背すじを伸ばした。

 「……なんだ?」

 「い、いえ……」
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