臆病な私の愛し方

助けて

　ところがさらに数日後。
　夕方に誰かが私の家のインターホンを押したのでこっそりと姿をうかがうと、なんと叔父さんが家の前に立っている。

　とうとう家まで…

　私は呆然とした。
　そしてその後はなるべく徹底して居留守を決め込み、何をするにもなるべく静かにし、夜にも電気も付けずに過ごした。

　しかし一切外に出ないわけにも行かず、結局叔父さんに遭遇して説得された日もある。

　これじゃきっといつか、家の中まで入ってこようとする…

　怖さを感じると、大切なことを今さら突きつけられる気がする。

　テイキさんに不快な思いをさせたことを謝りたい…
　テイキさんに私の話を聞いてほしい…

　こんな都合のいい時ばかり。
　そんなことは分かっていたけれど、私はもう限界だった。

　いても立ってもいられず次の日の夜、私はついに貴重品だけを持って家を飛び出した。


　周りを見渡し叔父さんやあの車がいないかを確認しながら、前にテイキさんに教えてもらった職場に向かう。

　私は電車でも下を向き、なんだか自分が重罪でも犯したような気分になっていた。

　でも、もしテイキさんがいなかったらどうしよう…？
　テイキさんが遅帰りの日の時間には間に合ったはず。でももし、テイキさんが今日は突然早帰りに代わっていたりしたら…