妖精の追憶(占いおばちゃん鑑定シリーズ・2)

恋愛相談

彼女は、やわらかな笑みを浮かべた。

「とっても親切にしてくれて。
よく話しかけてくれるし、お話していてとっても楽しい方ですから」

「できれば、お付き合いをしたいとお考えですか?」
彼女は小首をかしげて、微笑んだ。

私は、彼女が否定をしないので、
YESだと受け止めた。

この場所で繰り広げられる恋愛問題は、
「付き合う・付き合わない」の二択だ。

「それでは・・タロットカードで見ましょうね」

私はいつも通り、カードをシャッフルして、彼女にも同じようにしてもらった。
一枚、一枚、机の上に置いて、そのカードの意味を説明する。

相手の男性を示すカードは<1の魔術師>のカード、正位置だ。

「若い男性、トークも巧みで、人を弾きつける魅力がある人ですね」
彼女は大きくうなずいた。

現在を示すカードは<9の隠者>、正位置だった。
隠者は、ひげをはやしている高齢者だ。

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