妖精の追憶(占いおばちゃん鑑定シリーズ・2)
「今の段階では、あなたが彼に対して、ファン、
つまり、推しカツ状態です。
彼もあなたのことを、あくまでもメンバーの一員、
自分にとって特別な関係だとは見てはいませんね」

私の説明に、
彼女は小首をかしげて、納得はしていないという顔をした。

微笑んでいるが、口元がやや下がっている。
不満・・

最終カードは<6の恋人>逆位置だった。

マルセイユ版という古いタロットカードは、
キューピッドの放とうとしている矢の下に男性、
その両脇に若い女性と、年上らしき女性の3人が描かれている。

三角関係を示すともいわれるが・・

「プライベートで、彼には恋人がいる。
もしくは好きな相手とか、それがわかるということでしょう」

あなたが入るすきまは、ないはずなのだが。
カードを、じっと見つめている彼女の顔を見ながら、私も考えていた。

彼女は、相当に自信があるのだろう。
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