御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


「ねぇ、苺花。今から俺の家行かない?」

「うん・・・って、え!?」

「お、行くの?」

「いやちがっ、行かないよ!何言ってるの氷上くん」

「あー、氷上くんに戻ってる」

「う。それはっ、琳凰くんが変なこと言うからです」

「変なことって?俺はただ家に行こうって言っただけだよ?」

「なっ・・・。でもそれは変です」

「ふ、ははっ。そうだね、変だね。もうちょっとゆっくりいこうね」


そう言って琳凰くんは楽しそうに笑った。


「大切にする、苺花」


私の頭に手を置いて優しく微笑んだ琳凰くんは、この世のものとは思えない程にかっこよかった。

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